素材:サランラップ、毛糸など
視覚を通し記憶に蓄積されていく空気の色やテクスチャーを編み機で作りたいと思い制作した。夜の帰り道、遠くに見える中心街の光、ひっそりとした木々、静かな建物、少し埃っぽい空気、混ざり合った生活の匂い。地下に潜ってロンドンの地下鉄、ガタゴト。記憶の中にいっしょくたに存在する質感をサランラップとカラフルな糸でつないでニットにした。編み機から少しずつ編み目が段になっていくのを確認しながら、ゆっくりと布になるのを眺めるのも楽しかった。
人は常に記憶しながら生きている。その記憶は本当に全て脳に蓄積されてるのだろうか。あまりに膨大な量で染み出したりしないのだろうか。時々、記憶と現実が緩んだところを生きている気がする。
CSMのニットウェアのサマーコースではじめて編み機を使った。その出会いは新鮮で、糸から布地を作り服にできることが嬉しかった。サラ先生も好きだったし、とにかく編み機が大好きになった。Knitwearという選択肢もあったんだなと思った。