【Material and Texture】糸の束、線の跡

糸の束のテクスチャー ずっと糸を束ねて面にする作業を飽きずにやっている。これでいいのかな、と思いながら、最近は織の挑戦も始めた。でも、やっぱり糸が集まり、一本一本の影ができ、質感を持った線になる感じがどうしても好きなのだ。色を変えるとまた違って見える。いつも新鮮。なんか、糸たちは気ままだなーと眺めているのも、ぼーっとした穏やかなで平和な時間。 思い返すと糸の束に関しては、長らく試行錯誤してきた。最初はしつけ糸の束をボンドでトレーシングペーパーに貼ってみたり、それからチュール生地に刺繍することをみつけて、長らく刺繍していた。糸の束をミシンで縫い付けて固定することを発見してから、今に至る。これでいいのかな。

2026年6月1日

【theory】テキスタイルと言語

言葉の中に織り込まれたテキスタイル 組織、思索、検索、索(つな・なわ)、組む、テンション、〇〇に染まる、 tapestry of culture, spin a yarn, interwoven 日本語でも英語でも、私たちはテキスタイルに由来する言葉を使ってコミュニケーションをとっている。テキスタイルは、私たちの生活、思考、社会の中に組み込まれている。 私たちは無意識に、織る、染める、組む、編むという、布を作る過程やテキスタイルそのものを手助けとして言葉を編み出してきた。そして今日もまた、私たちはテキスタイルとその概念が織り込まれた世界で生きてゆく。テキスタイルと言語の関係を見ていくことは、人間とは何かという問いに、一つの答えを与えてくれるような気がする。英語のtextileはラテン語のtexcere(編む、織る)に由来し、テキスタイルと思考の構造を読み解く助けになりそうだ。

2026年6月1日

【theory】ファイバー、テキスタイルアート

ファイバーアートは1960年代頃からアメリカやヨーロッパから始まり、そして日本でもブームみたいに花開いて、やがてファインアートの表現言語の一つとして吸収されていった。マグダレーナ・アバカノヴィッチはテキスタイルアートを飛び越えてファインアートのアーティストとして認知されている。イギリスのゴールドスミスカレッジにもかつてはTextilesの専攻があったが、やがてFine Artに統合された。それは、ファインアートの中でテキスタイルに関わる限りは、強靭なコンセプトなり、素材や構造や概念的な必然性が求められるという時代の流れだと思う。テキスタイルの理屈っぽくない造形の面白さもいいと思うが、きっと現代アートの中のテキスタイルも楽しい。 私とテキスタイルとの出会いは、テキスタイルアートで有名な佐久間先生を通してだった。少しだけ先生に師事し、大好きになったのだ。工業生産の布しか知らなかったので、布を自分で作れるということにワクワクした。そして子供の頃から大の手芸好きだったので、留学した時にイギリスのテキスタイルコースではニットや刺繍の専攻もあると知って、手芸好きでも学位が取れるのがすごいなと嬉しくなった。

2026年6月1日